出会い
午前中に少し時間が出来たので、春を求めていつもの場所に出かけました。
ひと通りいつもの撮影場所を回ったのですが、なんとなく写したいものが無かったので
車から目に付いた桃色の梅の花に行ってみることにしました。
その木は畑の中に植えられていて、
生活感のある感じと7~8分咲いた花を交えつつ何カットか押さえました。
別の場所に移動しようとしたその時
通りがかった男性に「いいのは撮れましたか?」と聞かれました。
私は素直に「いやあまり撮れませんでした」と答えました。
すると、その男性は私の行動を見ていたようで
「あなたは下からと上から撮ってましたね。でも私なら向こうをバックに撮ります。」
そして「こういうときは高いところから見てみるといい。時間があるなら一緒に見てみますか?」
普段、いろいろお節介に教えに来るおじさんには嫌気を感じていたのですが、
その人の話は何故か素直に聞くことが出来ました。
上から見ると、確かに花の向こうに小さな赤い塔がアクセントになって
稜線の向こうに見える空が気持ちいい。
「あともう少し視線を下げたら、これはいい感じだ。プロはね、こうやってロケハンするんですよ。」
そのおじさんは、プロのカメラマンでした。
「雲の感じがいいから私も撮ろう。道具を取ってくるから、あとでファインダーを覗かせてあげるよ。」
カメラをセットし雲の流れを待つ間、
先生は自分の仕事について、今までの経歴、そこでの出会いを話してくれました。
考え方、行動はとても理にかなっていて、
自分の信念に基づいて大胆に行動する生き方は、
ただ生きる術として会社に勤めている私にとって、とても考えさせられました。
雲が流れ、いろいろ教えていただいたあと
「今日はこんないい写真が撮れたのはあなたのおかげです。あなたと話していたから撮れたんです。」
と言われました。
ファインダーを覗かせてもらって心がときめくようなフレーミングでしたが、先生にとって本当に「いい写真」だったのかどうかは分かりません。
でも一緒にいた私の気持ちまで楽しくさせてくれる心遣いは、今までステキな人生を過ごされて来たから出来るんだと思います。
先生と出会えたこと、そして光や空の加減が良く一緒に撮影させていただいたこと、話を聞かせてもらえたこと・・・
最近あまりいいことが無かったけど、久しぶりに幸運を感じたひと時でした。
先生は雨の風景を撮られているということで、僭越ながらこの写真を選んでみました。
by bluefeelblue
| 2009-02-28 15:50
| snap